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最新の武器が織りなすリアリティ!石井建夫(銃器&映画ライター/カメラマン/パフォーマー)

主人公が自宅地下室に封印されていたケースから取り出した拳銃は2種類。

大きい2挺は「H&K P30L」。先端に装着されているのはサプレッサー(=減音器)ではなく、コンペンセイター(反動制退器)。より速く、より精確な射撃を助けてくれるパーツである。

小型の2挺はバックアップ用の「グロックG26」。グロックは現在“世界一売れている拳銃"で、「G26」は小型版。本作には他にも標準サイズ「G17」、ややコンパクトな「G19」が揃い踏みしており、敵味方入り乱れて使われる。マフィア側ヒットマンたちはこれらグロックにサプレッサーやフラッシュライト等を装備し主人公の自宅を急襲。特にリーダー格のキリルが携える特別加工のプロ用カスタム「SAI/Tier1」や、簡易型カービンユニット「FAB/PDWシステム」は通好み。

弾倉2本を並列で備えた最新ショットガン「Kel-Tec/KSG」や、ブルパップ型狙撃銃「DTA/Stealth Recon Scout」、あのビンラディン暗殺作戦で米軍特殊部隊が使ったと言われる最新軍用ライフルHK416の米国製クローン「CA-415」など、映画初登場のカッコ良い銃も数々登場する。

旧ソ連崩壊後、様々な武器や犯罪者がアメリカに流入し大きな社会問題となっている。本作の背景もまさにそれだ。しかし同時に斬新なアクションのスタイルも輸入され、エンターテインメントの質を向上させることに大きな役割を担った、という事実は興味深い。